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エラスチンはコラーゲン・ヒアルロン酸とともに、真皮層に存在します。
真皮層の2%~5%を占めるエラスチンは、
同じく70%を占めるコラーゲンを網目状にしっかりと結びつけ
お肌を下支えしながら、ハリと弾力を与える働きをしています。
エラスチンによってコラーゲンがしっかりと網目状に構成され、
その間に水分を保つヒアルロン酸が存在することで、美しく健康なお肌が保たれています。
重要な働きをするエラスチンですが、体内のエラスチンの量は
26歳ごろをピークに減少が始まり
40歳を過ぎると急激に少なくなると言われています。
エラスチンが減少すると、
コラーゲン同士の結束が崩れ
しわやたるみが生じてしまいます。
40代になるとお肌の悩みが増えてくるのは、このためです。
「肺」は、呼吸をするための臓器。
丈夫で伸び縮みが必要な肺には、エラスチンが約20%含まれています。
肺においても、エラスチンとコラーゲンが
しなやかな組織をかたち作り、正常な呼吸運動を支えています。
たとえば「肺気腫」は、喫煙などによりエラスチン(弾性繊維)が
破壊されることで発生する病気であると定義づけられています。
エラスチンが肺においても重要な役割を果たしていることが分かりますね。
エラスチンは動脈の内側(中膜、内膜)に多く含まれ
その割合は実に50%に達します。
動脈には、血液を身体中に巡らせるために
心臓から強い圧力がかかるので、それを柔軟に受け止めるには伸縮性が必要です。
エラスチンの持つ伸縮性は、
健康には欠かせない、滞りのない血流を支えています。
加齢などにより動脈のエラスチンが減少し、
伸縮性が弱まると血管が硬くなります。
これが動脈硬化へとつながります。
血管が硬くなると、血液が身体のすみずみ(毛細血管)まで行き届きにくくなります。
そうなると、心臓は血液をすみずみまで送り出そうと圧力を高め
これが、高血圧にもつながっていくのです。
「靭帯」は全身のそれぞれの骨と骨とをつなぎ、関節をかたち作っています。
ほとんどがエラスチンとコラーゲンからなる組織で、
多いところでは約80%のエラスチンが含まれています。
関節を安定させ、ひじやひざを曲げ伸ばしするためには伸縮性が必要です。
靭帯のエラスチンが減少すると、靭帯のしなやかさが失われ
関節の動く範囲が限られるようになり、運動機能の低下へとつながっていきます。
また、靭帯が切れやすくなり、靭帯を損傷しやすくなります。
ひざに痛みを持つ多くの方が「変形性ひざ関節症」だといわれています。
軟骨がすり減ることで生じますが、
ひざ関節に安定性をもたらす靭帯の損傷が原因となっている場合もあります。
上向きのきれいなバストを支えているのは
「クーパー靭帯」=バストをかたち作る靭帯です。
このクーパー靭帯にもエラスチンが多く含まれており、
バストのハリと丸みを帯びたかたちを保つことに役立っています。
加齢や、妊娠~産後のバストアップに伴い
クーパー靱帯が伸びたり切れたりする事で
バストが下垂したり、形が変わってしまう原因となっています。
靭帯は関節だけではなく身体全体に分布していますが、
クーパー靭帯は特に美容に関わりの深い靭帯としてあげられるでしょう。
子宮にはさまざまな役割がありますが、
もっとも大切な役割は「赤ちゃんを育てるお部屋」ということかもしれません。
女性にとって大切なこの器官には、エラスチンが90%も含まれています。
なぜこんなにエラスチンが含まれているのでしょう。
普段の子宮は鶏卵くらいの大きさですが、
妊娠中はその20倍、30倍にも大きくなります。
出産時には赤ちゃんの通り道ともなり、産後には元の大きさに戻ります。
このように子宮には状況に応じた、しなやかな伸縮性が求められるからです。
エラスチンが潤沢であるからこそ、
子宮としての役割を果たすことができる。とも言い換えられるのではないでしょうか。